トランプ米大統領は、ロボットと産業機械、関連部品の輸入を巡り、関税ではなく貿易交渉を進めるよう閣僚に指示した。

トランプ米大統領は、ロボットと産業機械およびその部品の輸入を巡る通商問題で、関税の発動ではなく貿易交渉を優先する方針を取った。10月28日に署名した布告で、商務省のラトニック長官と通商代表部(USTR)のグリアー代表に対し、貿易相手国との交渉を進めるか継続するよう指示した。両閣僚は180日以内に交渉の進捗を大統領へ報告する。
この措置は2025年9月に開始された通商拡大法232条に基づく調査を受けたものだ。調査では、米国はロボットと産業設備の生産量が必要量を下回り、国内の供給能力では需要を満たせないと指摘された。大量の輸入に依存する現状が製造基盤や国家安全保障、経済にリスクをもたらすとも結論づけた。布告は「輸入依存は米国の産業基盤にリスクをもたらし、国家安全保障上ますます重要となる分野での長期的な競争力を脅かす」としている。
232条調査の後に関税を課さず交渉を選ぶのは、直近3カ月で3回目となる。今月上旬には風力タービンの輸入について同様の指示を出した。7月には民間航空機とジェットエンジン、部品の輸入を巡り閣僚に貿易交渉を指示している。1月にも半導体輸入で協議を進める一方、対象を絞った半導体に25%の関税を課した。この際は7月1日までに交渉の状況を報告する予定とされていた。
一連の動きは、232条を即時の関税措置に用いてきた従来の手法とは異なる。今回は輸入品の調達先の多様化や国内生産の強化を交渉を通じて促す狙いがある。ロボットと産業機械は自動車や電機など幅広い製造業の生産工程で使われており、調達コストや供給網の安定に影響する。