現在と過去のデータを分析し、運賃の方向を見通します。
中欧鉄道の輸送量は、中央回廊のEU投資や東部回廊の記録的な運行本数により高水準を維持する見込み。しかし、欧州の貿易制限強化や中央回廊のインフラ制約がリードタイムを延ばす可能性がある。運賃は需要増と供給制約で上昇圧力がかかる。
WCI総合は10月基準で4,429ポイント、前月比3.4%下落した。供給面では、週次トラッカーの集計による欠航率が7.8%と拡大しており、有効供給の縮小が運賃の上昇要因となっている。需要面および価格動向のデータは欠測であるため、上昇判定の根拠は供給側に偏っており、要因の候補として需要の強さや燃料コスト以外の価格変動が考えられるが、前者は輸出統計(次回公表時)、後者は燃料油スポット価格の月次データで判別できる。基本シナリオは2026年12月1日時点でWCI総合が現水準から3〜7%上昇する方向であるが、信頼度は低い。LA-LB港湾のストライキ脅威が顕在化し輸送需要の前倒し集中が確認されれば、上昇幅が想定レンジを超えるシナリオへ転じる。
SCFIは10月基準で3,687.35ポイント、前月比0.2%上昇(約7ポイントの上げ)と2週連続の上昇基調にある。供給面では、週次トラッカーの集計による欠航率が7.8%と拡大しており、有効スペースの絞り込みがSCFIの上昇要因として働いている。燃料油コストは前月比ゼロ変化であるため、コスト側からの上昇要因は現時点で確認されない。需要面および価格動向は欠測のため直接評価できず、要因の候補は実需の強弱と荷主の前倒し発注の有無であり、前者は輸出統計(公表時期:翌月中旬)で、後者は週次ブッキング動向で判別できる。基本シナリオは2026年12月1日時点でSCFIが現水準から+1〜4%の範囲で推移する上昇優勢であり、LA-LB港湾のストライキ脅威が現実化すれば荷主の代替港・前倒し輸送需要が急増し、より強い上昇シナリオへ転じる。
WCI上海→ロッテルダム(WCI_SHA_RTM)は10月基準で指数3,686、前月比1.5%上昇と3週連続の上昇傾向にある。供給面では、週次トラッカーの集計によると欠航率7.8%・実効船腹増減率+0.6%と欠航が拡大しており、これが運賃の上昇要因として働いている。一方、EU向け需要の輸出モメンタム(前年同期比)は欠測であり、季節性は閑散期に当たるため需要の強さは限定的とみられる。燃料油コストは前月比ゼロ変化であり、コスト面からの上昇要因は現時点では確認されない。基本シナリオは2026年12月1日時点で指数が前月比+1〜+4%のレンジで推移する上昇優勢だが、EU向け輸出モメンタムの実績値(EU統計局の月次貿易統計公表時に判別可能)が明確な需要回復を示せば上振れシナリオへ転じ、逆に欠航率が縮小に転じれば上昇の勢いは失速するシナリオへ移行する。
WCI上海→ロサンゼルスは10月基準で指数7,514、前月比6.2%下落した水準にある。一方、週次トラッカーの集計による欠航率は7.8%と拡大しており、有効スペースの縮小が運賃の上昇要因として働く構図にある。また、LA・LB港湾のストライキ脅威が報じられており、コンテナフローの混乱が生じれば荷主の緊急手配需要を高め、スポット運賃をさらに押し上げる要因の候補となる——前者は港湾当局・労使交渉の公表動向で、後者は週次欠航データの推移で判別できる。需要側の輸出モメンタム(対米州)および価格動向は欠測のため、上昇の勢いの強さは現時点で評価できない。2026年12月1日を判定日とする基本シナリオは指数で+3〜7%の上昇圏であり、港湾ストライキ回避かつ欠航率が縮小に転じれば横ばいシナリオへ転じる。
この見通しは情報提供が目的であり、投資や契約の勧誘ではありません。欠測した要素は重みを再配分します。因果ではなく相関として記述します。的中率は発行した見通しの全件を分母とします。