フランス海軍がシチリア沖でロシア産原油を運ぶ「シャドーフリート」タンカーを拿捕した。EUの対ロシア原油制裁を強制する狙いで、海上取り締まりが強化されている。

フランスがシチリア島近海でロシアのシャドーフリートに連なるタンカーを拿捕した。エマニュエル・マクロン仏大統領は18日(現地時間)、自身のX(旧ツイッター)アカウントでこの事実を明らかにした。フランス海軍は16日、シチリア沿岸を通過中だったタンカー「デリバー(Deliver)」号に乗船した。同船はカメルーン船籍で、ロシア・バルト海のプリモルスク港を出港していたことが確認された。
フランス海軍当局は、デリバー号の船籍登録の有効性に疑義が生じたとして同船を強制的に停船させ、停泊地へ移送して追加検査を進めている。マクロン大統領は、デリバー号が西側の制裁を回避するために運用されているロシアのシャドーフリートと関係があると指摘した。いわゆる「旗の乗り換え(flag-hopping)」や無効登録によって追跡を逃れる手法が、シャドーフリートでしばしば確認されるという。
マクロン大統領は「われわれは『シャドーフリート』が制裁を回避し、ロシアの戦費調達に利用されることを許さない」と強調した。今回の作戦は、昨年9月以降フランスがシャドーフリート疑惑船を拿捕した5例目となる。先立って5月末には、フランス当局が英海軍と連携し、大西洋上で船籍偽装が疑われる「タゴール(Tagor)」号を抑留していた。当時、ロシア国籍の船長は一時拘束された後、釈放された。
こうした船舶摘発が相次いだことを受け、フランスは4月、有効な船籍証明を提示しない、または海軍の指示を拒否する船舶に対する金銭的・刑事的処罰を倍増させる方針を発表した。一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、こうしたロシア関連船舶の拿捕を「海賊行為」だと非難している。
グローバルサプライチェーンの観点からシャドーフリートへの取り締まりが強化される中、海上輸送のリスクはさらに拡大する様相を見せている。特に、西側制裁対象であるロシア産原油・石油製品の輸送を担う老朽船の迂回航路が引き続き監視網に捕捉されており、今後の関連規制順守の可否が物流の安定性を左右するもう一つの変数として注目される。
*出典:The Moscow Times*