米USTRが強制労働関連60件のSection 301調査結果に基づき、中国・EU・メキシコなど主要貿易相手国への新規関税賦課を提案した。対象国・品目は未確定だが、広範な影響が見込まれる。

米通商代表部(USTR)が60の貿易相手国を対象に、強制労働関連輸入品の規制を理由とした新規関税賦課を検討している。USTRは現地時間3日発表した公聴会議題で、中国、EU、メキシコ、カナダなど主要貿易パートナーに対し10%から12.5%の追加関税を提案した。今回の措置は昨年3月12日に発動された301条調査の結果を受けた後続措置であり、対象国が「強制労働で生産された物品が米国市場に流入するのを効果的に阻止できなかった」との判断に基づいている。
対象国は2つのグループに分かれる。カナダ、EU、英国、台湾など強制労働品輸入禁止制度を導入済み、または部分的な規制体系を運用中の30カ国余りには10%の関税が適用される。一方、中国、インド、ブラジル、日本、韓国、ベトナムなど残りの国々はより高い12.5%の税率対象に含まれた。USTRはこれらの国が「強制労働を用いる企業が不公正な価格競争力を持つことを放置した」と指摘した。
ジェイミソン・グリアUSTR代表は「主要貿易国が強制労働問題を放置し、米国の労働者が不平等な競争に直面することは容認できない」とし、「もはやこの不均衡を黙認しない」と強調した。実際にUSTRは今回の措置が米国内の生産者を保護するためのものであることを明示し、強制労働品が市場の歪みを招いていると分析した。ただし施行時期はまだ確定しておらず、7月6日まで公開意見を募集し、7日に公聴会を開く計画だ。
一部品目は適用除外の対象となる。232条関税適用品目と米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)適合製品は除外され、米国内で供給不足を招きかねない原材料や国内生産が不可能な特定品目も例外リストに含まれた。これに加えUSTRは、米国産綿花の輸入量に連動して一部衣類・繊維製品に低い301条税率を適用する案も示した。適用除外品目の具体的なリストは連邦官報の付録に別途明記される。
業界では今回の関税賦課検討が世界的な供給網再編を加速させる変数になるとみる声が上がっている。7月の公聴会以降、最終税率と例外品目の確定可否が市場の主な関心事として浮上する見通しだ。特に強制労働との関連が指摘される中国産原材料を活用した中継貿易構造は打撃を受けかねないとの分析が出ている。市場参加者は輸出貨物の通関前における原産地証明の強化と、代替調達先の確保を急ぐ必要があるとみられる。