米国の業界団体や荷主協会が、中国建造・関連船舶への301条費用の恒久停止をUSTRに求めた。現行停止は11月9日までの期限。

米国の流通・製造業界の団体や荷主協会が、中国で建造された船舶や中国関連船舶に課される通商法301条に基づく費用について、恒久的な停止を米通商代表部(USTR)に求めた。10月30日付の書簡で、小売業や製造業、輸入業者を代表する団体がジャミソン・グリア通商代表に宛てて要請したものだ。
301条の船舶費用は現在1年間停止されており、その停止措置は11月9日に解除される予定となっている。USTRは先月、停止を2027年1月9日まで延長する案を提示し、連邦官報でパブリックコメントを募っていた。
停止中の費用は1トン当たり18ドルからコンテナ1本当たり120ドルに及び、米国建造船を発注した船主に最大3年間の免除を与えることで国内造船業を促す政策が狙いにある。
書簡で関係者は、2027年1月に設定された費用が「すでに逼迫した輸送システムに新たなコスト層を加える」と指摘した。中国建造船が世界の海運船腹の相当部分を占めるため、301条の船舶費用の実際の影響は限られた市場参加者にとどまらないとしている。
書簡には全米製造業者協会、全米小売業連盟、世界海運評議会、米国乳製品輸出評議会など250以上の関係者が署名した。貨物輸送に使う船舶の運航や建造をほとんど管理できない荷主にとって、費用が不確実性を高めるとの懸念もある。
太平洋航路の海上運賃は今年、イラン戦争や関税により荷主が従来の輸送パターンを捨てざるを得ず、高止まりが続いている。荷主は軽油価格の上昇による輸送コスト増にも直面している。
関係団体は、費用の停止により、費用だけでは米国造船業の復活に向けた有効な戦略にならないことが示されたと主張している。中国の優位を支える課題として、国内の造船能力の制約などが残っている。