中国本土・香港発欧州向け航空貨物量が6週連続で減少し、7月のスポット運賃は6月末比29%下落した。EUの免税撤廃が影響。

中国本土と香港から欧州向けの航空貨物量が6週連続で減少している。世界航空貨物データを集計するワールドACDの速報値によると、第31週(7月27日〜8月2日)の輸送量は前週比で中国本土が5%、香港が3%それぞれ減少した。前年同月比では中国本土が7%、香港が24%のマイナスとなった。
7月通期では、香港発欧州向けが6月比19%減、前年同月比24%減と大きく落ち込んだ。中国本土発は前月比3%減、前年同月比6%減と、香港ほど深刻ではない。両地域を合わせた欧州向けは前月比9%減、前年同月比12%減だった。香港市場の低迷は、欧州連合(EU)が7月1日から150ユーロ未満の商品に対する免税措置を廃止した影響が大きい。電子商取引(EC)貨物に依存してきた香港市場は、関税コストと通関手続きの複雑化で荷動きが鈍っている。
スポット運賃も下落基調が続く。中国本土・香港発欧州向けの平均スポット運賃は、第25週(6月中旬〜下旬)の1キロ当たり5.80ドルから第31週には4.96ドルまで15%下落した。中国本土発は同期間に29%下落しており、アジア太平洋地域全体の欧州向け運賃の前年比伸び率は、第25週の39%から第31週には17%に縮小した。もっとも、複数のアジア市場では依然として高水準にある。
世界的には、7月の航空貨物量は前年同月比5%増と、6月の9%増から伸びが鈍化した。アジア太平洋、欧州、中東・南アジアの成長が弱まったためだ。世界のスポット運賃は7月に前月比8%下落したが、前年同月比では29%高い。燃料費の上昇や需給の不均衡、米イラン紛争に伴う混乱が背景にある。
中国・香港発欧州向けの減少は、新たなEU輸入規則によるコスト増と手続きの複雑化が主因で、世界全体の成長を押し下げている。ワールドACDは、今後もEC貨物を中心に規制の影響が続くか注視している。
原文: Air Cargo Week ↗