消費者支出の縮小で米国の食料品販売が鈍化している。

米国内の食料品販売が、消費者支出の縮小により単位販売量が減少する「決定的局面」に入ったことが分かった。グローバル経営コンサルティング企業のベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)と市場調査会社ニールセンIQ(NielsenIQ)が共同発表した報告書によると、今年6月の米国食料品単位販売量は前年同月比1.8%減となった。
食料品販売の鈍化は昨年半ばから単位販売量がマイナス成長を見せ始めていた。しかし報告書によると、今年2月以降鈍化のペースが速まり、以後6月までの4カ月間、月別単位販売量が前年比約2%ずつ急減したという。この減少傾向は米国全域で一貫して観察された。
消費者の懐事情が悪化した背景には、累積した物価上昇と実質所得増加率の鈍化がある。報告書によると2019年以降食料品価格が33%も急騰した中、今年3月にはガソリン価格が20%急騰し、家計予算に追加の打撃を与えた。ここに低所得層向けの政府食料支援プログラムへの参加率が昨年末急減した点も、販売不振を加速させた要因として挙げられる。
消費者の節約志向は具体的な数値で表れた。ベイン・アンド・カンパニーの最新消費者調査によると、回答者の80%が支出を減らそうとしており、このうち28%は特に食料品購入を積極的に縮小しているという。食料品費を減らしている消費者のうち56%は低価格ブランドに切り替え、49%は単純に購入数量を減らし、44%はクーポンやプロモーションの活用を増やしたことが調査で分かった。
報告書の共同執筆者でベイン・アンド・カンパニーの米州小売部門代表を務めるカート・グリチェル(Kurt Grichel)氏は「米国の食料品市場は明白な数量縮小局面にあり、成長回復への道は単純な低価格戦略ではなく、消費者が信頼する価値提案にかかっている」と述べた。同氏は「今この瞬間、価値提案を強化している食料品業者やメーカーが、市場環境が改善した際に意味のあるシェアを確保するだろう」と強調した。
市場では、インフレとガソリン価格上昇というマクロ要因が解消されるまで、食料品販売の不振が続くとの見方が出ている。業界専門家は、精密な商品構成やプロモーション、自社ブランド戦略を展開する企業が、残存する消費需要を吸収できるだろうと分析した。
※出典:ベイン・アンド・カンパニー&ニールセンIQ共同報告書