住宅市場の鈍化で、家具・家電など大型・重量品目のラストマイル配送需要が減少している。

米国内の大型・重量物品ラストマイル配送市場の成長が鈍化している。アームストロング&アソシエイツ(A&A)と全国ホームデリバリー協会(NHDA)の報告書によると、同市場の年平均成長率(CAGR)は2017~2025年に10.6%を記録したが、2025~2027年には5.1%に下落する見通しだ。
ドル規模でみると、A&Aは2026年の市場売上高を114億2000万ドル、2027年には123億4000万ドルとそれぞれ推定した。成長率鈍化の背景には消費の萎縮がある。住宅取引量は30年ぶりの最低水準まで落ち込み、家具販売額も減少傾向を免れていない。
大型・重量ラストマイル配送需要は、住宅取引と大型選択消費財の販売に密接に連動する。報告書は関税政策の急激な変動が主な変数として作用したと分析した。裁判所がIEEPAに基づく関税体制を無効化し、米連邦最高裁が2026年2月にこれを確定して以降、政策は安定化したが、それまでの不確実性が消費心理を押し下げたとの説明だ。
一方、A&Aは2025年と2026年に関税政策が安定を取り戻した点を考慮しても、消費者需要の回復が遅れることで市場成長率は当面低い水準にとどまると見込んだ。大型家電・家具などかさばる品目を扱う物流企業は、新規需要の確保よりも既存顧客の維持に注力せざるを得ない状況に置かれている。
市場では、今後の住宅市場の反発時期がラストマイル配送需要回復の決定的な変数になるとみている。住宅取引量が回復し家具販売が再開するまでは、輸送量の停滞が続く可能性が大きいとの見方だ。世界的な供給網の観点からも、米国内の消費パターンの変化は物流全般にわたる再編圧力として作用する見通しだ。
*出所:Armstrong & Associates・National Home Delivery Association*