米国の物流現場でスマートロボティクスが課題を解決する。

米国の健康用品業者ノースショア・ケア・サプライ(NorthShore Care Supply)が自律走行ロボット(AMR)を導入し、物流効率を大幅に高めた。同社はシカゴ郊外の物流センターで受注処理量を増やすため、ソフトウエアとハードウエアを同時にアップグレードしたことが確認された。この過程で労働力削減と生産性向上という成果を得たと同社側は明らかにした。
ノースショア・ケアは成人用失禁製品をD2C(消費者直接取引)のオンライン方式で販売する業者だ。6年前、製品需要が30%増加し、物流運営の自動化の必要性が高まった。これを受け2020年、約5万平方フィート規模だった既存施設から18万平方フィート規模に移転し、AMR6台を導入してピッキングと出荷工程を改善した。
従来の手作業方式では、作業者が重いカートを押してピッキング場所まで移動しなければならなかった。一方、AMR導入後はロボットがカートを持ち上げてピッキング区域まで運搬し、作業者が注文を完了すると自動的に包装区域へ移動させる体系が構築された。特にカスタムカートは従来比約4倍多い注文を収容できたと同社側は伝えた。このプロジェクトはシステム統合業者ヌミナ・グループ(Numina Group)が担当した。
しかし既存のAMR供給業者が大企業に買収され、ロボットのハードウエア故障とソフトウエアの問題が発生したと、ジャレッド・ベル運営副社長は語った。同社の倉庫マネジャー、タカ・タカキ氏は「我々は島に孤立した状態になった」と当時の状況を伝えた。これを受けノースショアは2024年末、ヌミナ・グループと協議し、クーカ・ロボティクス(Kuka Robotics)のAMRに切り替えた。
切り替えの結果、従来6台だったAMRを5台のKMP 600Pモバイルプラットフォームに減らしたにもかかわらず、生産性はむしろ改善した。クーカのAMRはより低いプロファイルを備え、カートの棚を追加できるようになった。その結果、カート当たりの注文容量が8件増え、36件まで可能になった。また、ロボットがカートを持ち上げて運搬することで、車輪の摩耗問題も解決した。以前のロボットはカートを引くように動かしていたため、3~4カ月ごとに車輪を交換する必要があった。
同社は現在、1日平均1800件の注文を処理し、この過程で7000~8000回のピッキングが発生している。ジャレッド・ベル副社長は「AMR導入後、臨時労働力を大幅に減らすことができ、現在倉庫スタッフ16人のうち10人が5年以上勤続している」と説明した。業界の専門家は、今後物量が増加した場合にカートやAMRを追加するか、同じリソースでシフトを拡大できる柔軟性も確保したと評価した。
*出典:DC Velocity*