研究:倉庫作業者は複数の協働ロボットを切り替えて作業する方式が最も高い成果を上げた。

オランダ・エラスムス大学ロッテルダム経営大学院の研究チームが発表した論文によると、倉庫作業者が単一の専属ロボットと固定ペアを組む方式よりも、複数の協働ロボット(AMR)間を動的に切り替えて作業する方式の方が高い生産性を記録することが分かった。この研究は「ピッキング・ザ・ベスト・ボット(Picking the Best Bot)」と題し、学術誌トランスポーテーション・サイエンス(Transportation Science)に掲載された。
研究チームは1万2000件以上の倉庫シナリオを対象に分析モデリングとシミュレーションを適用し、さまざまな人間とロボットの協業戦略を評価した。その結果、固定の1対1割当戦略が最も効率的だとする既存の想定とは異なり、勤務時間中に作業者が複数のロボットと協業する「スウォーム(swarm)方策」が大半の条件でより高い処理量を達成することが確認された。
特にロボットの速度が速いほど、またロボットの台数が多いほど、スウォーム方策の優位性は大きくなる傾向が見られた。研究の主著者であるマヒディ・ゴラシ・カリラバディ(Mahdi Ghorashi Khalilabadi)研究員は「単にロボットを多く導入すれば良いという問題ではなく、人間とロボットの組織方式が処理量に大きく影響する」と述べた。同氏は「ロボットが人間のピッカーより速い、あるいは台数が多い場合、柔軟な協業が性能を大きく向上させることができる」と強調した。
eコマース市場の急成長により大型倉庫内での効率的な注文ピッキングシステムの需要が高まる中、多くの施設が自律移動ロボット(AMR)を導入して人間のピッカーを支援し、処理性能を改善してきた。今回の研究は、作業者が注文ピッキング中にAMR間を切り替えるスウォーム方策と、1台のAMRで注文を完了させるシステム主導方策を比較分析した。
分析の結果、スウォーム方策はシステム主導方策よりも一般的に高い処理量を提供し、その差はAMR対ピッカー数の比率と速度比率が増加するほど拡大した。一方、AMRとピッカーの速度が近く、注文規模が大きく、AMRの台数が限られている状況では、システム主導方策の方が効果的であることが集計された。
グローバルな物流倉庫自動化市場では、今回の研究結果が既存のAMR導入戦略に新たな基準を示すと見込まれている。業界の専門家は、ロボットの速度と台数が持続的に増加する環境において、作業者とロボット間の柔軟な切替戦略が今後の倉庫設計における重要な変数になると分析した。
※出典:Erasmus University Rotterdam・Transportation Science(INFORMS)