パナマ運河が乾季に備え喫水制限を強める中、MSCやCMA CGMなど海運大手が運賃に上乗せする追加料金を引き上げた。

パナマ運河が干ばつに備えた通航制限を強化するなか、外航海運各社が追加料金の引き上げに動いている。パナマ運河庁は2026年後半に到来すると予想されるエルニーニョ現象による天候影響に備え、節水策を順次実施している。同運河では2023年から2024年にかけて干ばつに見舞われ、通航時間の延長や通航料金の上昇が生じた経緯がある。
パナマ運河庁は最新の調整として、ネオパナマックス船闸を通過する船舶の最大許容喫水を8月26日付で48フィートに設定した。さらに9月3日付で47.5フィートに引き下げることを発表している。今夏にはすでに2回の喫水調整を実施しており、今回の措置で調整は通算5回目となる。同庁は「2023年から2024年の期間に得られた教訓と水文分析、歴史的データに基づく運用計画の結果」と説明している。
こうした喫水制限の継続を受け、海運各社はパナマ運河関連の追加料金を改定した。地中海海運(MSC)は8月12日付の顧客向け通知で、パナマ運河追加料金を1TEUあたり100ドルから149ドルに引き上げると発表した。9月12日適用で、40フィートコンテナは297ドル、45フィートコンテナは376ドルとなる。対象は東南アジア、中国、韓国、日本から米国東海岸・メキシコ湾岸向けの全貨物種別である。
CMA CGMは9月10日付で、パナマ運河調整係数を全貨物種別で1TEUあたり500ドルに改定した。極東からパナマ運河を経由して米国東海岸・メキシコ湾岸に向かう貨物が対象で、従来はアジアから東海岸中米、南米北岸、カリブ海、マナウス向けが1TEUあたり100ドルだった。
ハパックロイドは先月、極東発北米向けの追加料金を1TEUあたり130ドルとするとの顧客通知を発表している。極東には中国、カンボジア、シンガポール、タイなどが含まれ、8月15日から全貨物種別に適用されている。同社は当時、今回の措置の背景としてパナマ運河の状況を挙げていた。
各社の追加料金は、パナマ運河の通航制限が長期化するなかでコスト増を貨物に転嫁する動きとみられる。運河庁は今後も水位状況に応じて措置を更新する方針で、海運各社の追加料金改定が続く可能性がある。