中東戦争の影響長期化、契約運賃にも波及 極東発米向け40%超上昇

海上2026年8月14日出典: DC Velocity

中東戦争の影響でスポット運賃に続き契約運賃も上昇、極東発米国向けは2月末比40%超に。

写真: DC Velocity / original

米国とイスラエルによるイランへの軍事作戦開始から約半年が経過し、中東情勢の緊迫化による物流への影響がスポット運賃から長期契約運賃にも波及している。海運市況分析会社のゼネタによると、2月末以降、極東発米国西岸向けと東岸向けの平均長期契約運賃はそれぞれ41%、40%上昇した。北ヨーロッパ向けも41%、地中海向けは17%上昇した。

ゼネタのチーフアナリスト、ピーター・サンド氏は「中東での戦争による約半年の混乱の影響は、長期契約市場に広がりつつある。これは短期市場で起きている火災が燃え広がったものだ」と指摘する。短期市場ではスポット運賃が2月末比で極東発米国西岸向け271%増、同東岸向け287%増、北ヨーロッパ向け121%増、地中海向け76%増と、軒並み3桁の上昇率を記録している。

サンド氏は「中東戦争による混乱は深く構造的な問題となり、すぐには解決しない。そのため船社は長期・短期の双方の市場で主導権を握る極めて強い立場にある」と述べた。こうした状況を受け、ゼネタは荷主に対し、長期契約を結ぶ際には少なくとも向こう四半期は高い運賃を受け入れる覚悟が必要だと警告する。

サンド氏は「荷主は上昇相場の中で1年契約を結ぶべきではない。向こう四半期のスペースを確保する短期契約が適しており、スポット市場が変転した場合に備えた調整条項を付けるべきだ」と助言している。米国とイスラエルは2月28日にイランへの攻撃を開始しており、ゼネタは同日を危機前の基準日として運賃変動を比較している。

今回のデータは、中東情勢の緊迫化が物流コストの構造的な上昇要因として定着しつつあることを示している。船社が運賃交渉で優位に立つ状況は当面続くとみられ、荷主企業の調達・物流戦略への影響は避けられない情勢だ。ゼネタは荷主に対し、市場動向を注視しながら柔軟な契約戦略を取るよう求めている。

原文: DC Velocity

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