米国とサウジアラビアがイラクの親イラン武装組織を共同空爆し、原油先物が急伸した。ホルムズ海峡の緊張も再燃している。
米国とサウジアラビアは7月29日、イラク国内のイラン支援武装組織に対する共同空爆を実施した。これはトランプ米大統領が対イラン爆撃作戦の一時停止を発表して以降、米国が中東で初めて行った大規模な軍事行動となる。空爆を受け、原油先物価格は前週比で4.6%上昇し、イランによるホルムズ海峡での船舶への発砲や米軍基地への攻撃も報じられている。
今回の空爆は、イラク領内からサウジアラビアの石油施設に向けて発射された無人機攻撃への報復と位置づけられる。米国とサウジは合同でイラク国内の複数の拠点を攻撃し、イラン支援の民兵組織「人民動員隊」によると、少なくとも20人が死亡、32人が負傷した。サウジが米国との共同作戦に参加するのは今回が初めてで、シーア派主導のイラク政府は緊急会合を開いた。
この空爆により、サウジがイランの代理勢力と戦闘する新たな戦線が開かれた形だ。イラク政府はテヘランとワシントンの双方と緊密な軍事的・外交的関係を維持する数少ない国の一つだが、米国はかねて親イラン武装組織の取り締まりを求めている。一連の緊張は、イランとイラクの宗教的つながりが強まる中で起きており、両国は最大のシーア派人口を抱える国同士でもある。
原油市場では、ホルムズ海峡の封鎖懸念が再燃し、供給不安が強まっている。米国とイランの対立が長期化する兆しを見せる中、原油先物は一時急伸した。ホルムズ海峡は世界の原油輸送の約3割が通過する要衝で、イランがオマーン提案の共同管理案を拒否したことも、市場の警戒感を高めている。
戦闘の拡大は中東全域に波及する可能性があり、イラク国内の政情不安をさらに悪化させる恐れがある。今回の攻撃でサウジが公然と参戦したことで、イランとの代理戦争が新たな局面を迎えたとの見方も出ている。イラク北部モスルでは、犠牲者の葬儀で「アメリカに死を」とのシュー派スローガンが叫ばれるなど、反米感情も高まっている。
今後の焦点は、米国のトランプ政権が対イラン政策をどう転換するかだ。空爆作戦の一時停止に続き、今回の限定的な軍事行動で収束するのか、それとも更なるエスカレーションにつながるのか、国際社会の注目が集まっている。
原文: gCaptain ↗