米貨物ブローカーCHロビンソンが死亡事故訴訟で約6億ドルの賠償命令を受け、業界団体とともに控訴。最高裁判断の影響が物流業界に広がる。

米大手貨物ブローカーのC.H.ロビンソンは、2021年にミシシッピ州で発生したトレーラーと乗用車の多重事故を巡る訴訟で、陪審が遺族に対し約6億400万円の賠償を命じた判決を受け、控訴する方針だ。物流仲介業界団体の運輸仲介業協会(TIA)もこの判決に反発しており、米最高裁の新たな判断が物流業界に与える影響が注目されている。
この訴訟は「ライプ対ルーパス・スペリオル事件」で、2021年に高速道路上で停止中の車列にトレーラーが突入し、3人が死亡、2人が負傷した事故を巡るもの。事故を起こした運送会社は連邦自動車運送安全局(FMCSA)から「適正」の安全評価を得ていたが、判決はC.H.ロビンソン側に賠償責任があると認定した。
判決の背景には、今年5月の米最高裁判決「モンゴメリー対カリブ・トランスポート事件」がある。この判決は、連邦免許を持つ運送会社を利用するブローカーに対し、各州法に基づく賠償責任が認められる可能性を示した。従来は連邦規制に従っていれば免責されるという業界標準が覆された格好だ。
運輸業界はこの最高裁判決に対し、ブローカーが各運送会社の安全記録を十分に検証するデータを持たず、不当な負担を強いると警告していた。今回の判決はその懸念が現実化した初の事例となる。運輸アナリストのT.D.カウエンは、この判決が確定すれば米国のブローカーは「困難な立場」に置かれ、どの基準で運送会社を選定すべきか不明確になると分析する。
判決が確定した場合、荷主と運送会社はより厳格な審査を通過した少数の高品質な運送会社に業務を集中させる可能性がある。C.H.ロビンソンは控訴手続きを進めるが、今後の司法判断次第では全米のトラック運送市場の構造に変化をもたらす可能性がある。業界団体は控訴審でこの判決の見直しを求めていく方針だ。
原文: DC Velocity ↗