マースクがMECL(中東-中央アメリカ-中南米)サービスをスエズ運河経由に切り替える。紅海危機以降迂回していた航路を正常化する動きだ。

マースク(Maersk)が自社の中東-インド-米国東岸航路(MECL)サービスを紅海・スエズ運河経由に戻す。マースクはMajestic Maersk号のスエズ運河通過成功と既存AE15サービスの構造的変更に続く今回の措置が、スエズ回廊への段階的復帰プロセスのもう一歩だと明らかにした。これにより、インド・中東・米国東岸を結ぶ航路の効率性が改善する見通しだ。
マースクによると、改編後の航路は西行き航海の平均運航時間を7日、東行き航海は平均14日短縮する。西行きの最初の航海はMaersk Denver号627W便、東行きの最初の航海はMaersk Chicago号624E便に確定した。マースクはこれとともに8月から東行き航海のジッダ港寄港を新規に追加する。
更新された東行きローテーションは、チャールストン、サバンナ、ヒューストン、ノーフォーク、ニューアーク、タンジェ、ジッダ、サラーラ、ムンドラ、ピパバブ、ネルーラ(ナバシェバ)の順で構成された。マースクは「中東地域の治安状況を継続的に注視しており、状況が悪化した場合はサービスを喜望峰経由に戻せる緊急計画を用意している」と説明した。
今回の決定は、マースクとハパックロイドが先にAE15サービスをスエズ経由に復帰させたことに続く措置だ。世界の海運各社はイエメンのフーシ派による紅海攻撃以降、喜望峰迂回を強いられてきたが、最近中東情勢が限定的に安定化したことで、段階的な正常化の動きを見せている。
市場では今回のマースクの決定を、スエズ運河経由の既存航路の競争力を回復させる兆しと捉える見方がある一方、治安リスクが完全に解消されていない点を踏まえ、追加の復帰時期を注視している。マースクは現地情勢に応じてサービス経路を再調整できる柔軟性を確保しており、世界のコンテナ運賃の安定化にも変数として作用する見通しだ。
※出典:Container News/Maersk