既存のTSR・TCRに加え追加の直結インフラ構築が本格化する。カザフスタン通過・TIR拡大とも連動し、ユーラシア複合輸送の地形が変化する。
ロシアと中国が両国国境を結ぶ新規横断鉄道路線の建設に正式合意したと、RailFreightが5月22日に報じた。既存のシベリア横断鉄道(TSR)および中国横断鉄道(TCR)に加え、追加の直結インフラが構築されることになり、韓国発ロシア・欧州向け貨物のルート多様化に直接的な影響を及ぼす見通しだ。
現在、TSR経由の韓国発欧州・CIS向けコンテナ貨物は、慢性的な容量不足と数日から数週間単位の輸送遅延が繰り返されている。特に転送拠点であるボストチヌイ港および主要国境駅での滞船がリードタイムの不確実性を高めており、長期輸送契約を持つ韓国の荷主の間で不満が続いている状況だ。
今回の新規路線合意は、こうした構造的なボトルネックを解消するための両国の戦略的布石と分析される。同時期にカザフスタン鉄道公社(KTZ)が単なる鉄道運営会社から複合物流プラットフォームへの転換を宣言し(RailFreight、5月27日)、中国がTIR方式の適用をアジア・欧州全区間に拡大する方策を推進していること(TransportCorridors)と連動し、ユーラシア複合輸送生態系全体の再編が加速する見通しだ。
業界では、新規路線が開通すればTSR依存度が低下し、競合ルート確保による運賃交渉力が強化されると期待されている。ただし路線の正確な位置と完工予定時期、韓国発第三国通過貨物の許容可否など詳細条件はまだ確認されていない。このため現行のTSR長期契約更新時には、ルート変更オプションや運賃再協議条項など柔軟性を必ず確保すべきだというのが、物流専門家の共通した助言だ。中長期契約構造の再検討が急務な時点である。
--- *出典: RailFreight, TransportCorridors*