インスタリリーの調査で、サプライチェーン企業の6社に1社が過去1年にAIツールによる顧客・仕入れ先データの流出や誤共有を経験したことが分かった。

インスタリリーが実施した調査によると、サプライチェーン、物流、流通、卸売の各分野の経営層のうち6人に1人が、過去1年間に自社のAIツールが仕入れ先や顧客のデータを露出させ、共有し、または不適切にアクセスを許す事故を経験したと回答した。AIが商業上機密性の高い記録に深く入り込むなかでの結果である。
調査では78%がAIツールが顧客の価格やマージンにアクセスできると答え、67%が仕入れ先の価格やリベート情報についても同様と回答した。報告書「Shared Risk: Why Supply Chain’s Most Sensitive Data Needs AI Built for the Industry」にまとめられた。内容は10月9日にインスタリリーが、AIツールを利用するサプライチェーン、物流、流通、卸売分野の管理職以上250人を対象に行った調査に基づく。
インスタリリーは、卸売業者や物流事業者は取引の双方から機密情報を日常的に扱うため、この結果は問題だと指摘する。例えばAIがある顧客の契約価格を別の顧客の見積もりに載せたり、仕入れ先の入札情報を競合に漏らしたり、荷主にブローカーのマージン裏の運賃を表示したりすれば、被害は関係者全員に及ぶ。
回答者の63%は、AIツールを含む社内プラットフォーム間で仕入れ先と顧客のデータに少なくとも一部重複があると報告した。一方で87%は、AIがデータを適切に分離していると非常に、またはある程度確信していると答えた。それでも調査した全セグメントで事故が報告されている。
インスタリリーは、AIが機密情報を扱う過程を、取得する記録から返す回答まで一連の業務でテストする理由があるとしている。報告書は、機密の仕入れ条件を明かさずに見積もりを作成するといった日常業務で管理策を試し、人間の承認が必要な場面を定めることを推奨する。同社の「Lily」プラットフォームは既存の業務システム内で動作するエージェントを構築し、アクセス権限と監査記録で監督を支えるとしている。
原文: DC Velocity ↗