EUがロシア人旅行者へのシェンゲンビザ制限強化を検討。ポーランドやスウェーデンなどが主導し、限定領土有効ビザの導入案が浮上している。

EUがロシア人に対するビザ発給の制限強化を検討している。域内での破壊工作やハイブリッド攻撃への懸念が高まっていることが背景にある。欧州議会のメツォラ議長は首脳会合後の記者会見で、ウクライナ支援の強化と併せて「的を絞ったビザ制限の進展によってロシアへの圧力を強めるべきだ」と述べ、ブリュッセルに対応を促した。
報道によると、EU執行部は2027年初頭に的を絞ったビザ制限の「計画」を提案する見通しだ。この取り組みはポーランド、スウェーデン、エストニアが主導している。EU理事会のビザ政策作業部会は水曜日に会合を開き、ロシア人申請者への限定領土有効(LTV)ビザの発給を協議した。LTVビザは発給国の領域内に旅行者を限定するもので、シェンゲン圏全体へのアクセスは認めない。協議の結果は公表されていない。
ドイツは、不要不急の旅行向けビザをなお発給している加盟国に対し、LTVビザへの切り替えを求めるよう提案したと報じられている。EU理事会の議長国を務めるアイルランドは、この措置では安全保障上の脅威が域内に広がるのを防げない可能性があると警告したという。
この提案は、8月にドイツで発覚したドローン計画が契機となった。ロシアのパスポートを持つ人物がイタリアの観光ビザでシェンゲン圏に入国したとされる。ロシア旅行業連合に対し観光業の専門家は、LTVビザは複数の欧州諸国にまたがる旅行を困難にし、ビザ審査期間の長期化や発給数の減少につながり得ると指摘した。
フィンランドのオルポ首相は、開催中の欧州理事会首脳会合でロシア国民への観光ビザ発給の完全停止を提案する考えを示した。「ロシアが欧州で破壊工作を企てる恐れがある。それなのに、なぜロシア人を観光客として受け入れ、自由に移動させるのか」と先週述べた。