韓国のパンスター・アクロが北極海航路経由で欧州往復の商業試験航海を完了し釜山に帰港した。復路の空コンテナ輸送など商業性に課題を残す。
韓国のコンテナ船「パンスター・アクロ」が、北極海航路を経由した欧州への往復商業試験航海を終え、10月19日に釜山港へ帰港した。韓国政府によると、北極海航路を使った商業ベースの往復試験航海は同国初となる。李在明大統領は帰港式典で船員をねぎらい、既存の海上輸送路が中東情勢などで途絶した際の代替路として期待を示した。
同船は2,758TEU型で、フェリクストウ、ロッテルダム、グダニスクに寄港し、往復50日間の航海を終えた。北極海航路による欧州到達は約20日間で、スエズ運河経由に比べ約3割短縮されたという。同大統領は「既存の航路が遮断されたとき、韓国経済がいかに揺らぐかを痛感した」と述べ、北極海航路を危機時の選択肢になり得ると位置づけた。砕氷船の支援なしで夏季の北極海域を航行し、流氷に対応した船員の経験も評価した。
韓国政府は2027年にコンテナ船と自動車船を使った追加の試験航海を計画し、2030年までに定期サービス確立を目指す。
一方、商業的な継続性については証拠が限られる。野党議員の姜承奎氏が引用したデータによると、パンスター・アクロの復路は空コンテナ1,743TEUで、輸入貨物はなかった。往路の輸出貨物は737TEUで、目標の1,300TEUを下回った。李大統領も、欧州で荷降ろしした後の復路貨物の確保が課題であると認め、貨物の集約と運航経験の蓄積でコスト低減と信頼性向上が進むとの見方を示した。韓国の海洋水産部長官は、同航路の経済性が成立するのは2040年頃になるとの認識を示している。
北極海航路はロシアの北極沿岸を通るため、航行にはロシアの許可が必要となる。砕氷船の支援は国営原子力砕氷船会社ロスアトムフロットが担うが、同社は欧米の制裁対象となっている。李大統領はロシアとの協力関係について、制裁の枠組みを踏まえつつ対話を続ける考えを示した。
原文: gCaptain ↗