中国系海運会社シーレジェンドシッピングが8月中旬から10月末まで北極海航路(NSR)の定期船を初めて運航すると外信が伝えた。気候変動により通航可能期間が生まれ、中国と欧州間の新たな海上物流軸として浮上している。
中国系海運会社シーレジェンドシッピング(Sea Legend Shipping)が来る8月中旬から10月末まで北極海航路(NSR)の定期船を初めて運航すると、スプラッシュ247など外信が伝えた。この航路は年間を通じて氷に覆われ、年間4カ月ほどしか運航できないが、気候変動により特定期間に通航が可能となり、中国と欧州間の新たな海上物流軸として浮上している。
シーレジェンドシッピングは北極海航路に計7隻の船舶を投入する予定だ。初航海は1740TEU型「ドバイタワー」号が担う。残る6隻は1528~4890TEU規模で、インド洋航路を運航する超大型コンテナ船(2万4000TEU以上)に比べると船腹量は少ないが、鉄道貨車(最大100TEU)よりはるかに多くの貨物を積載できるとの評価だ。
この航路の最大の競争力は輸送時間だ。シーレジェンドシッピングによると、中国を出発し北極海を通過した船舶は20~22日で欧州主要港に到着する。これは中国→欧州鉄道輸送(12~22日)とほぼ同水準だ。一方、既存のインド洋経路は紅海・スエズ運河の地政学的リスクにより不安定性が拡大した状況にある。
中国国内の貨物は大連・青島・上海・太倉・福州・南沙などから寧波・舟山港に集結する。船舶は寧波・舟山を出発し北極海を横断した後、英国フェリックストウを皮切りに、オランダ・ロッテルダム、ドイツ・ヴィルヘルムスハーフェン、ポーランド・グディニアなど欧州拠点港へつながる。昨年10月の試験運航では、シーレジェンドシッピングの「イスタンブールブリッジ」号が青島→フェリックストウ間を18日で走破した実績がある。
市場では、北極海航路が年間わずか4カ月の運航期間にもかかわらず、鉄道と同水準の輸送時間で大量貨物を処理できる点から、欧州向け複合輸送市場の競争構図を変える変数として注目している。ただし、船舶規模や季節的制約、氷海運航技術力などが実際の商業化の障壁として残っているとの分析もある。
*出所:スプラッシュ247・シーレジェンドシッピング*